東レエンジニアリング(株)(本社:東京都中央区、代表取締役:太田 進)と、大阪大学発ベンチャーのマイクロ波化学(株)(本社:大阪府吹田市、代表取締役:吉野巌)は、マイクロ波を使ったハイブリッド型乾燥設備の開発を発表した。2015年度中に試験設備による実証試験に着手、2016年にはファインケミカル、医薬、オレオケミカル、ペトロケミカル分野を中心に営業を開始。マイクロ波は物質の中の分子を直接振動させ、選択的に急速に内部から加熱ができる技術だ。今までの化学プラントの乾燥設備は、熱風や蒸気などでの間接加熱を用いており、物質を乾燥させるためには化学品全体を外から加熱するため、長時間の乾燥が必要になり、エネルギー効率が悪かった。マイクロ波技術は、効果が広く認知されながらも設備の大型化が困難とされていたが、マイクロ波に関する大阪大学とMWCCの共同開発の成果を元に、設備の試作検討を繰り返し、設備の大型化が可能となった。マイクロ波の周波数を調節することで、乾燥させたい分子のみを加熱することができ、大幅な効率化が見込め、対象物によっては、乾燥時間を1/3〜1/10、エネルギー消費量を2/3〜1/2、設備の大きさを1/3〜1/10に削減が可能であり、処理量も10,000トン/年レベルまで対応可能となる。マイクロ波化学株式会社について・・2007年、大阪大学発テクノロジーベンチャーとして設立。電子レンジにも使用されているマイクロ波技術を用いて、世の中に溢れる化成品が誕生するまでの「製造プロセスそのもの」を変革することで、世界中の工場省エネルギー化に挑んでいるテクノロジーベンチャー。