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新規事業開発におけるメンタリングの重要性

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新規事業開発経験の有無や量に関わらず、新規事業に取り組んだことのある人や、今まさに取り組んでいる人であれば、少なからず自分のアイデアや仮説、事業プラン、それらの実行に対して「本当にこれでいいのだろうか?」という疑問や不安を抱いたことがあるのではないだろうか。また、「知見のある誰かに話を聞いてもらい、率直な意見やアドバイスが欲しいけど、どうすればよいか分からない」という課題を持ってる方もいるだろう。

Relic社では、新規事業開発の支援/コンサルティングとして、一気通貫型や伴走型と言ったキーワードを掲げており、新規事業構想フェーズにおけるアイデア/仮説出し、事業化フェーズにおける仮説検証支援/システム開発、拡大フェーズにおけるマーケティング/営業支援などを行っているが、そのどれにも当てはまらない「メンタリング」の依頼が、近頃急増している。

今回は、メンタリングの依頼が急増している背景や、重要性、具体的にメンタリングで行っている事などを解説していく。

1.メンタリングとは?

メンタリングとは

「メンタリング」(mentoring)とは人材育成の手法の一つで、「メンター」(mentor)と呼ばれる経験豊かな年長者が、組織内の若年者や未熟練者と定期的・継続的に交流し、対話や助言によって本人の自発的な成長を支援することをいいます。メンターは「師匠、信頼のおける助言者」の意味。古代ギリシアの叙事詩『オデュセイア』に登場する老賢者メントールの名が語源です。またメンターの対の言葉として、メンターから指導・支援を受ける人材を「メンティー」(mentee)と呼びます。

 

出典:メンタリングとは|コトバンク

とあるが、新規事業の現場におけるメンタリングを簡単に言うと「議論の壁打ち、相談やアドバイスを通じて事業推進の支援を行うこと」と言える。

戦略提案、実行支援(伴走型)では、支援スコープや実施内容、成果物を事前に定義した上で、コンサルタントが稼働するという流れが大半だ。一方、メンタリングでは、コンサルタントはクライアントに対して提供するのは、議論の壁打ちや、相談・アドバイスに留まり、成果物作成はすべてクライアントが実施する。

つまり、メンタリングとは、手は動かさず、過去の経験や実積に基づく思考・発言のみで価値提供するソリューションとなる。事業構想フェーズや、事業化・拡大フェーズの支援では、提供するソリューションとしての輪郭が曖昧かつ、成果物が無く、直接的な経済メリットや成果というものがイメージしづらいため、これまでニーズが顕在化していなかったのだろう。しかし、新規事業開発の支援という文脈においては、一定のニーズが存在するのではないかと感じている。

2.なぜ新規事業開発でメンタリングが必要とされるのか?

近年、新規事業開発においての様々な考え方やノウハウ等の手法論については、至るところで議論や研鑽が重ねられ、昔と比べると体系化が進んでいる。

しかし、実際に新規事業開発の現場では、なかなか成功確率が上がってこないというのが現状ではないだろうか。新規事業開発においては考え方やノウハウ等の手法論と同じくらい、その事業リーダーの自発的・内発的な動機付けや原体験に基づく強力な意志(信念や執念とも言える)と、それに基づく粘り強い継続的な行動と改善が重要であるという側面がある。

この両方について議論や相談の相手となり、アドバイスをすることで、当事者たちが気づかなかった視点やノウハウを提供したり、既存事業に比べ不確実性が高い中での意思決定を求められる事業リーダーに確信を持たせるなどの価値を提供するのがメンタリングだ。

既存事業の場合は話が別で、メンタリングするよりも他の支援(マーケティング/営業/開発…など)のほうがより効率的に、より直接的に成果につながる事が多いため、メンタリングの重要性が相対的に低くなる。

3.新規事業がメンタリングを受けるにはどうすればよいか?

とはいえ、新規事業という不確定要素の多い領域で、資料作成でも、アクションでも、システム開発でもなく、主に対話のみとなるメンタリングで適切に価値提供を行うには、その領域においてかなり広範囲に渡る知識や経験・ノウハウ等が無いと難しく、メンターとして一定以上の価値が出せる人はかなり稀少な存在である。メンタリング単体でバリューを出せるようになるには相当な習熟度が必要となるため、一足飛びでそこまで行くことは難しいのが事実だ。そのため、現状は完全に需要に対して供給が不足している状態であり、メンターを探す方法を強いて挙げるならば、

  • 社内/社外の人脈から探す
  • 新規事業開発の専門家/企業を探す

といった方法に限られるのではないだろうか。

最近になりRelic社でもメンタリング案件の要望が増えてきているが、新規事業におけるメンタリングの重要性について各社が気づき始め、メンタリングを必要としているクライアントが、新規事業支援を行うコンサルタントにメンタリングを頼めるかどうか相談するケースが増えているのではないかと考えられる。もし新規事業開発においてメンタリングを依頼できる人材が周りにおらず悩んでいる方は、Relic社にご相談頂ければ、お力になれるかと思われる。

4.まとめ

いかがだっただろうか。メンタリングをテーマに新規事業開発において事業創出だけでなく人材育成の側面を視野に入れてる企業においては、どのプロジェクトでもメンタリング的な要素や支援を必要とするケースは今後も増えてくるのではないかと思われる。

メンタリングをする側も、される側も、メンタリングというものの本質的な価値を意識しながら日々取り組むことで、その効果や意義は必ず最大化されると思われるので、新規事業開発の参考にして頂ければ幸いだ。