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医療現場でVRはどう使われるのか?【手術時以外の事例も多数】

  • feedy

医療業界でもVRの活用が進んでいます。手術のトレーニング用としての活用はみなさんも思い浮かぶのではないかなと思います。
でも、実は、それだけじゃないんです。あらゆる場面で、VR活用による可能性が注目されています。今回はそんな医療×VRの事例をいくつか紹介したいと思います。

「学び」にも「実践」にも

医療業界は、リアルな学びの機会をつくるのは難しいです。「やってみる」ということは気軽にできませんし、手術を一度に見学できる人数も限られていることが多いです。そんなリアルな学びの機会をVRは広げてくれます。
また、VRは距離を越えます。遠隔での医療や、特定の場所の体験を患者さんに疑似体験させるなど、実際に患者さんを前にしてVRを活用することも。
それではご覧ください!

1.手術のトレーニング

こちらは、手術の体験学習ができる「OSSO VR」。アメリカのOsso VR社が開発したこのシステムはあらゆる国・大学で活用されており普及が進んでいます。実際の手術でのミスは禁物。命に関わってしまいます。
でも、VRでならトライアンドエラーを繰り返しながら、より手術の精度を上げていくことができます。

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2.体の構造についての学習

こちらは、VRでスタンフォード大学が開発した、心臓について学ぶための教育用VR「The Stanford Virtual Hearts(バーチャルハート)」。手元のコントローラーで心臓を動かし、様々なパーツを様々な角度から観察することができます。また、心臓の中に入るような体験もできるのだとか。
実際に心臓を手に取ってよく見る機会は医学生でもほとんどないと思います。VRを活用することによって、理論がリアルと結びつき深い学びを得ることができますね。

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3.手術の様子を多視点同時見学

こちらは、多視点で手術の様子を同時に何人も見学することのできるVRコンテンツ「Guru Job VR」。
実際の治療の現場は、限られた人数しか立ち会えないため、名医の技術を習得できる数に限界があることが課題でした。しかし、医療教育にリアルで高品質なVRを活用することで、何人でも同時に名医の真横にいる医師の視点で手技を学ぶことができます。また、執刀医による解説もあるので貴重な手術のポイントを学ぶことができます。

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4.患者の理解を深める体験

続いては「We Are Alfred」。少し変わった名前ですね。
こちらはお医者さんが74才の体を体感するためのVRコンテンツです。
加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)などの視界の障害や、聴覚の障害などをリアルに体験でき、高齢者の手の衰えなども忠実に再現されています。VRによって高齢者の体の感覚が分かれば、患者さんがどんなことに困っていそうかということがイメージしやすくなり、より細やかなケアができそうですね。

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5.PTSD(心的外傷後ストレス障害)に対するセラピー

続いては、トラウマ・恐怖症などの心的外傷後ストレス障害(PTSD)に対するVRセラピー。PTSDを負った患者さんとセラピストが一緒に、VRによって様々な場面を擬似体験をしながらセラピーを施します。
実際にセラピーの現場ではPTSDを引き起こした元となる場所が遠かったり、現実でのケアを行うには患者さんのトラウマが大きすぎたりします。そういった時に患者さんの心理的安全をセラピストが確認しながら段階的にケアを行っていくことができます。
今後、セラピストにとって新しい治療ツールとなっていきそうです。

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6.災害医療支援

防衛医科大学校とKDDI株式会社、株式会社Synamonが「5G(第5世代移動通信システム)」とVRを活用した災害医療対応支援の実証実験を2019年8月に実施しました。
これまで、災害時において平面映像での通信のみでは、被害状況などの災害の全体像がつかみづらいという課題がありました。しかし360°のVR技術による双方向の連携が可能となり、遠隔地からでも現場に指示を出すことができ、救命活動を円滑に進められることを確認したそう。
災害時など、一刻も早く現場の詳細を確認することがある場合にもVRが今後活躍していきそうですね。

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医療×VRの可能性はまだまだ広がる!

ご紹介したもの以外にも、実用化に向けて動いている医療×VRのサービスがたくさんあります。そして新たな治療法がだんだんと生まれてきています。
リアルとバーチャルの良い部分を組み合わせることにより、これまでなかった高いレベルの治療や遠隔での治療も進んでいきそうですね。

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