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米国におけるSTO規制の現状:登録届け出と免除規定について解説

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アメリカで行われるすべての資金調達は(1)SEC(アメリカ証券取引委員会)に登録するか、(2)証券法1933条に基づき免除規定に従うかの2種類の方法が存在し、STO(セキュリティトークンオファリング)を行う場合はこれらの方法に乗っ取る必要がある。今回はSTOを登録制と非登録制のメリット・デメリットを見ていく。

(1)登録制STO

SECに登録することで、最大限の権利をトークン保有者に与えることができる。米国の企業はS-1形式の書類を提出しなくてはならない(外国籍企業はF-1形式である)。一度提出されると、SECは登録が認められたことを正式に発表する。認可されると証券違反で訴えられる確率はかなり低くなる。これが証券をはじめて公募する時のプロセスである。

登録制STOのメリット

・適格投資家と個人投資家の両方を対象にできる
・資金調達について一般に広告を出すことができる
・証券が即座に取引され、流動性を獲得できる
・資金調達の上限がない

登録制STOのデメリット

・一般的に公募にかかる費用は200万ドル(およそ2億2000万円)から600万ドル(およそ6億6000万円)である
・SECに届け出をする準備に数ヶ月、SECの認定にかかる時間は1年前後と見られる(これは従来の証券よりも長くなると思われる)
・企業は監査済み財務諸表を提出する必要がある
・少なくとも四半期毎に報告をする義務がある
・SECに届け出が行われる前に口頭、もしくは筆記での証券販売の禁止。また、届け出が行われても、認定される前であれば筆記での販売が禁止されている
・登録されたとしても、各州の州法からは免除されず、資金調達が行われる各州でもSTOを登録するか、登録を免除される必要がある
・STOがスマート証券を販売する手段として機能する場合、開示は他のエクイティ商品と同様になる。しかし、STOがネットワークトークンを販売する手段である場合、企業はSECと密接に協力する必要がある

(2)STOの免除規定

次にSTOの費用対効果の高い方法である免除規定を見ていく。レギュレーションD、A+、CF,Sの4種類が主にSTOに関係してくる規定だ。

レギュレーションD

レギュレーションDには、規制506(c)、規則506(b)および規則504が含まれている。
それぞれの特徴は以下のとおりだ。

規制506(c):

・資金調達の上限がない
・「対象有価証券」は州法を免除される
・適格投資家に限定される
・12ヶ月は証券を移動することができない。
・発行体は全ての適格投資家の資格をチェックする責任を負う

規制506(b):

・一般勧誘は禁止されている
・適格投資家かどうかのチェックが不要
・非適格投資家は35人までに制限される

規制504:

・一般勧誘は禁止されている
・STOは適格投資家、非適格投資家両方を対象とする
・上限が500万ドルに制限される

レギュレーションA+(ミニIPO)

レギュレーションA+は、米国の関連会社にスマート証券または準拠ネットワークトークンを配布直後に取引可能とする唯一の規制である。レギュレーションA +は、Tier ⅠとTier IIに分けることができる。
Tier Iの下では、発行者は最大2,000万ドルを調達することができ、州証券登録法を免除されない。
Tier IIの下では、発行者は最大5000万ドルを調達することができ、州証券登録法が免除される。そのためICO / STOの間で人気があるが、SECのレビュープロセスを経て継続的に年次および半年ごとの報告を維持するための費用が欠点としてあげられる。

レギュレーションA+のメリット

・適格投資家と非適格投資家を対象にできる
・STO直後に取引可能である
・上限が5000万ドルである(Tier II)
・証券の発行は州法から免除されるが、取引に関しては免除されない(Tier II)

レギュレーションA+のデメリット

・審査に時間がかかり(最大で12ヶ月ほど)、費用も高い
・監査済み財務諸表を提出する必要がある
・発行体は年次報告と半期報告を公開しなくてはいけない
・二次取引に州法が適応される

レギュレーションCF:

レギュレーションCF、またの名をクラウドファンディング例外規定、によりSTOを認定投資家と非認定投資家の両方に売却することがでる。この免除規定は未認定の投資家からシードキャピタルを調達することを目的としたスタートアップ企業に人気がある。

レギュレーションCFの主な特徴

・適格投資家、非適格投資家の両方を対象とする
・調達額に107万ドルという上限がある
・12ヶ月間は取引できない
・米国企業限定である
・年次レポートを必要とする
・投資企業は調達を行えない

レギュレーションS:

レギュレーションSは、米国外で行われ、米国以外の居住者に対して行われたSTOの申し出および販売のみに対する免除規定である。この免除は、規則506(c)と一緒に使用することができるが、異なる州法の対象となるためあまりポピュラーな方法ではない。

レギュレーションSの主な特徴

・レギュレーションSは証券の発行と勧誘、販売は海外で行われること、そしてアメリカ国内での勧誘・販売を行えない、としている。
・米国企業、もしくは創設者がアメリカ人である企業が海外投資家向けに証券を発行する場合は、レギュレーションSの規制を受ける。

参照元:
All You Need to Know About Security Token Offerings (STO)
Game of Regs: The STO Context

STOについて詳しく知りたい方はこちら

記事執筆
塚田愼一

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