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強いリーダーシップでコロナ禍の事業を高速で進めながら、コロナ後のビジネスを温める / インタビュー株式会社フードサプライ
代表取締役 竹川 敦史

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新型コロナによるマーケットの先行きは見通すことができず、これからどうしていけばいいのか悩むビジネスマンが多い。その中で、最前線でコロナと戦う企業家の考えている事や、現在の取り組み、中長期視点をインタビューし、共有することでベンチャータイムスの読者へ少しでも参考になればという思いの元、インタビュー特集を行うこととなった。

今回お話を伺うのは「ドライブスルー八百屋」で注目を集めている株式会社フードサプライ代表取締役の竹川 敦史 氏だ。
※本インタビューはオンラインにて取材致しました

フードサプライ社はレストランなどに直接農家の野菜や色々や市場の野菜、自社農園の野菜を卸し、より安く、より新鮮な野菜を提供してきた。しかし、新型コロナウイルスの影響で多くのレストランは休業を余儀なくされ、農家の野菜が余ってしまう現状がある。そこで、コロナウイルスの感染を避けて、今までレストランに卸していた野菜を直接消費者の方に販売しようとする取り組みが「ドライブスルー八百屋」である。

予約をして、同社の物流センターまで車でいけば、ドライブスルーの要領で下車することなくトランクにスタッフが積み込みを行ってくれるという。

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最近ではスーパーの混雑で接触の危険性があるが、ドライブスルーであれば野外なので、三密の問題に対応し、安全に買い物をすることができる。この取組は大手テレビ局でもニュースに取り上げられて注目を集めており、販売拠点も全国に拡大している。竹川氏はどのようなビジョンのもとで新しい事業を開拓するに至ったのだろうか。

1)事業概要

「弊社は一都三県中心に全国で青果卸を展開している企業です。様々な市場から買付をしていますし、産地では北海道から沖縄まで、そして自社農園の3つを一体としてコンサルティング営業を行う会社です。現在4500店舗の外食のお客様に毎日納品しており、売上の80%を外食産業が占めています。創意工夫をして、新しい販売方法、生産者とのコラボ、大手外食企業とのコラボなど、CSRやSDGsなど、普通に売り買いするだけではない方法で、青果の卸売を盛り上げようと考えています」

2)今コロナ対策としてやっていること、事例について

「3月から外食の売上の目減りが始まりました。前半では10%から15%ほどの目減りでした。今まで忙しかったので体制の変え時と考えて、色々な体制の見直しをしていこうとポジティブに考えていました。」

「しかし、日が進むにつれてコロナウイルスの影響が拡大し、3月の後半で売上がいきなり半減しました。その中でアルバイトのシフト見直し、社員の方に休暇をとってもらうなど、一般的な取組みは行いましたが、やはり売上が下がって打つ手が無いと、会社としての士気がさがります。加えて、営業をガンガン行い、売上を伸ばしている会社なので何もしないと忘れ去られるという思いもありました。そこで、この時期は会社として社会意義のある行動をして、お客様にアピールするのが最大の営業だと考えました。」

スーパーでもオンラインショップでもない安全な販売の形

「コロナが明けた時に、一気に加速するためには、コロナの間にどれだけ社会貢献をできるかが重要だと思っています。生産者がいなかったら僕らは成り立たない企業なので、生産者を応援する取り組みからスタートしました。最初は無料でキャベツを配るなど、生産者を知ってもらう行動から入りましたが、売上があがらないと意味がありません。その時に、今売れている企業と僕らを比較しました。外食は厳しい状況にありますが、小売は売れているので、小売の市場の良いところと悪いところを考えました。小売はコロナなのに人が多く、人が素手で商品を触ります。これは今の時代にマッチしないと思いました。」

「では、僕らがこの状況にうまく適応するにはと考えてうまれたのがドライブスルー八百屋です。弊社は野菜を運ぶ企業です。シェアリングエコノミーの考え方で、運ぶことをシェアすれば安価になる。お客様は外出自粛なので時間があります。お客様の車(シェアリング物流)を利用して、お客様にはドライブで気持ちをリフレッシュしていただき、安価な商品を買って頂く。そうすれば、ドライブスルー八百屋はうまくいくと思いました」

 

ドライブスルー八百屋の様子


販売される農家直送で安心な野菜

「ドライブスルー八百屋」はコロナ以降のためのセットアップ

「この行動は新たな生産者の開拓にもつながります。ドライブスルー八百屋の取り組みで、新しい生産者さんとのつながりができました。また、弊社のセンターは一都三県にしかないのですが、全国展開しています。弊社のような外食に納める八百屋は今苦しいです。こんな時に仲間を助けたい。さらには新しい仲間を開拓することで、全国の輪を広げたいと思いました。
ドライブスルー八百屋はセットアッパーだと思っていて、一生の商売にはする気はないのですが、セットアップのときに何を得られるかがコロナ後に向けた重要な準備になると思っています。このドライブスルー八百屋は発想から3日で試験的にアップしまして、広報からHP、すべてのオペレーションを社内で取り組むことで、やることがなくなった社内を盛り上げることもできました」

人々が欲しているのは接客・コミュニケーション

「ドライブスルーをやっていて、非接触型のビジネスにも関わらず『元気チャージできました!』など、お声をたくさんいただきました。そのときに考えたのは、実はお客様は接客を欲しているのだということです。次に最大のお客様の飲食店様を助けられないかなと考えました。いま飲食店は営業できず、テイクアウトしかできていません。そこでテイクアウトしてもらうためのきっかけが必要だと思って、「八百屋PLUS」を考えました。」

「そして、多くの野菜を出すことで生産者支援にもなります。飲食店様は従業員や場所を持ち、僕らが野菜を持っている。例えば、大手外食企業の50店舗とコラボして、1500円で野菜を買えるプランを作ったところ、1日2000セットほど売れてご好評頂きました。街の八百屋で美味しい惣菜があると、非常に魅力的です。スーパーに行かなくても、接触が少なく、滞在時間が短くてすみますし、コミュニティーも広がります」


美味しい惣菜+楽しい接客+期間限定の新鮮安価お野菜がコンセプトのフードサプライ社の新事業「八百屋PLUS」

「コロナの影響で飲食店は営業ができないけれど、街と繋がりたい。美味しい野菜があれば、コミュニケーションも広がり、コロナ以後にそうしたコミュニケーションがお客様の呼び水になります。コロナ禍の事業を考えないと、コロナ後の世界はないと思っていますので、弊社はコロナのときに出来る限りセットアップして、コロナ後に向けて体をあたためている、という形です」

ドライブスルー八百屋の反響:テレビ・新聞の多方面から取材を受ける

「大手テレビ局にも、新聞にも多くのメディアに弊社の取り組みを取り上げていただきました。Yahooトップにも掲載されましたし、今後もテレビの収録の依頼はいくつか受けています。静岡では新聞4社テレビ1社、大阪もテレビが入る予定です。コロナ禍で社会貢献を行うことで弊社は思いもよらない効果もありました。BtoBの仕事をしていると、お客様はレストランに美味しかったと言うので、届けている私達に反応が直接来ることは少なかったんです。スタッフは感謝された経験が少なかったのですが、いまはBtoCで感謝の声や差し入れが直接届くので、社員のモチベーションもかなり上がりました」

3)コロナの先行きをどのように予測しているか(収束期間や当面の打ち手など)

「コロナの収束はどこの時点で収束と言うかの問題があると思いますが、夏が一つのポイントになるとは思っています。弊社はコロナのときに出来る事業を考えているので、ドライブスルーと八百屋プラスは拡大していきます。可能であれば従来の事業が伸びることが理想ですが、コロナ禍の事業と、コロナ前の事業のどちらがメインになってもいいようにしています。やっているのは、コロナ後の外食と生産者のライフラインとしてのインフラで活躍するために体を温めて、今はあらゆるリスクヘッジして対応できるようにしているということです」

4)コロナ禍でのマインドセット:ビジネスモデルは高速シフトチェンジする

「弊社の強みはお客様の意見をタイムリーに取り入れていることです。毎日施策を変えることが大事で、ドライブスルーも毎日工夫しています。例えば、最初は混雑したので、予約の仕方を変えてディズニーランドのファストパスのようにして、行列ができないようにしています。八百屋プラスもドライブスルーで頂いたお客様のご意見から生まれたアイデアです。」

「今後の全国展開もお客様の声に応えた形になります。弊社が一番大事にしているのはTwitter、Instagram、電話も使って小さな声を拾うことで、そこからヒントは無いか常に探しています。コロナ禍でビジネスモデルは高速シフトチェンジしていかなくてはいけません。コロナ禍で生き残れる事業にしないといけないし、そうしないとコロナ後に動けないと強く感じています」

 

テレビ・新聞で話題のドライブスルー八百屋が静岡初上陸ジーンズショップオサダとドライブスルー八百屋がタッグ!!

≪販売日時≫
2020年4月25日(土)、30日(木)各日11:00~15:00
※4月30日以降も週2回の販売を予定しております。
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