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世界に先駆け、STOソリューションで日本の未来を切り拓くブロックチェーン技術を活用し金融イノベーションを実現する「レヴィアス」 / 注目ベンチャーインタビューレヴィアス株式会社
代表取締役 田中慶子

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2019年を日本におけるSTO元年にする

「2019年を日本におけるSTO元年にする」という熱い決意・意志をもって、STOによる機動的な資金調達を通じて起業家をサポートする総合的なソリューション(LEVIAS-STO Solution)を提供するITベンチャー、レヴィアス。そのファーストステップとして、2019年3月25日に自らが、この独自のプラットフォーム「J-STO」によって資金調達を実現した。

「今後は、そのプロセスで得たノウハウをもとに、STOでの資金調達を希望する起業家にトータル・コンサルティングサービスを推進していきたい」と同社代表の田中 慶子氏は語る。

STOとはSecurity Token Offeringの略で、発行者がブロックチェーン技術を活用してセキュリティトークンを発行し、資金を調達する新しい取り組みだ。「J-STO」とは、レヴィアスのブランド名。現在、商標を登録中だという。

「STOは、いま世界中で注目されている資金調達の方法です。将来的には、従来アナログで手続きしなければならなかった投資契約がブロックチェーン技術によって自動化され、人に譲渡する際の契約移転なども便利になっていき、流動性の向上が期待されています。」

レヴィアスはSTOソリューションを提供するにあたり、金商ライセンス会社やテクノロジー事業者、PR会社、コンサルティング企業などのさまざまな分野のプロフェッショナル集団とコラボしている。

「日本ではSTOに関する法制度は、まだまだ整備されていません。そこで、現行法の範囲では問題ないという布石を打つために、STO市場に精通した法律事務所にもアドバイスいただき、一体になってこのマーケットを切り開いていこうとしています。各セクションのエキスパートに協力を得て初めて一つの商品として仕上がっています。まさに、オープンイノベーションの立ち位置です」

旺盛なベンチャーマインドを魅了したSTO市場の可能性

そもそも、レヴィアスを率いる田中社長はどんな経営者なのか。レヴィアスとはどのような会社なのか。

田中社長は大学を卒業後、大手情報通信企業に入社。経理のポジションで内定を得ていたにも関わらず、配属先は本人も予想外の営業部門。毎日新規営業に専念するなど辛い日々を送ったという。

「それでも私は、4年間頑張り続けトップセールスウーマンになれました。おかげで、精神力もつきましたね。何があっても動じなくなりました。また、人脈の広げ方も学びました」と当時を振り返る。

その後は、知り合いの社長に頼まれてスタートアップを3社経験。それぞれ、1年契約でゼロイチレベルでの営業支援やインフラ構築を手掛けた。そして3社目が、不動産関係大手の会長からの依頼。その経験・ノウハウを活かして立ち上げた会社が、田中氏が10年余にわたり代表取締役を務めてきたアスグラッド・コミュニケーションズだ。同社では、不動産業と再生可能エネルギーに関する事業を展開している。

「レヴィアスを設立したのは2018年2月です。もはや、不動産業や再生可能エネルギー事業は、これから市場規模が広がっていくと思えません。むしろ、デジタル化が進んでいくと厳しくなっていくと考えていました。そこで次の事業を探していたんです。そのなかで、縁があって色々な方にお会いし、ブロックチェーン技術に携わる会社を設立することを決めました。この技術は、銀行や不動産、医療、貿易などの業界でも応用できます。改ざんできないばかりか、コストも安くなります。本当に、これからの技術です。まだ認知されていない市場に挑んでいこうと考え、そのシステムづくりに着目しました」

田中氏が注目したブロックチェーンの国内市場規模は、2018年が49億円。2019年が545億円。10倍以上の成長スピードで拡大を続けている。「この市場はさらに伸びる」という確かな手応えが彼女を起業へと動かした。

「当社のビジョンは、ブロックチェーン技術を手掛けて成長していくこと。具体的には、オリジナルブロックチェーンやDEX分散型取引所、オリジナル暗号トークンなどの開発に着手しています。それらのリソースを普及させていきたいという想いから、特に今年、来年、再来年で注目しているのが、STOの市場です。日本におけるトップランナーに位置づけられる会社になりたいと思っています。他にも、エンジニアの需要が高まっているなか、人材の不足が目立つのでITと教育を結びつける事業も進めていきます」

デジタル通貨による投資ニーズは数年前からあり、既にICO(Initial Coin Offering)が2017年で4300億円、2018年はわずか3カ月間で5300億円を世界で調達していた。なぜ、ICOではなくSTOに着目したのかが気になる。

「ICOには誇大広告的なモノがありました。事故や詐欺的な案件も沢山ありました。それでも多くの資金が調達されていました。私たちはブロックチェーンのシステムを開発しながら、もっと安全に、信頼性高く調達や情報提供ができる市場を構築すべきだと考えたんです。それが、STO市場でした。ICOがバブルレベルに来ている時に、我々は次に来るに違いないSTO市場に狙いを定めたわけです」

世界を見ると、2017年でわずか2件であったSTO案件が、2018年には28件に増加。2019年下半期には、スイス証券取引所が独自の証券トークンを発行するSTOを計画するなど、ICOからSTOへの大きな流れが高まっている。なかには、STO市場は今後世界規模で1000兆円とも、2000兆円とも、場合によっては数京円にもなるであろうと予想する専門家もいるほどだ。

世界と日本をつなぐSTO市場のハブになりたい

レヴィアスが掲げるJ-STOに対する反応、反響も、すこぶる好調だ。
「興味があるので相談させてくださいという問合せが、国内外の企業から来ています。100億円ほどの不動産をJ-STOで調達したいという話も来ています」

それらを具現化していくのが、田中氏の当面のビジネス・テーマとなってくる。将来的には、どんな構想を思い描いているのであろうか。

「まず、ブロックチェーンとSTOの融合で動いています。この市場が確立することで世界ともっと簡単に、コストも掛からずに手を付けられるようになります。そうすると、世界のSTO市場がどんどん広がっていくはずです。世界にはSTOの取引所が次々と出来ています。日本では私たちが一番手としてやっていきますが、最終的には日本と海外のハブ的な存在になれたら嬉しいです。取引所が全部繋がったら二次流通市場(セカンダリーマーケット)もできると思います。それには、法律もきちんとローンチしていく時間も必要です。そうした動きについていける会社になりたいです」

この二次流通市場の整備にも、田中氏は大きな期待を寄せている。ハードルは高いが、ぜひ乗り越えていきたいと抱負を語る。

「流動化が困難なモノが、セキュリティートークンによって流動性が高まります。それによって、マーケットが広がり資産価値も高まり、リターンも得られます。経済はお金やモノが動くことで活性化します。間口が広がることでより便利になっていくはずです。そこのプラットフォームを私たちは作っていきたいと思っています。これも大きなミッションです。大変ですけど、できたらすごいことになる気がしています」

こうしたビジョンを実現していくには、より多くの仲間が必要となってくる。それだけに、人材募集にも意欲的だ。

「STO市場の成長率は凄まじいです。特にベンチャーである私たちには、スピードが必要です。スピードを高めるためには、人材が欠かせません。社員でもパートナーでも結構です。この業界を動かしたら素晴らしいことになるということに賛同していただける方と手を組みたいです。信頼している皆の力、皆の皆が集まり世界に先駆けていけたらと思っています」

日本におけるSTO市場は、スタートしたばかりだ。「デジタルを介して人を豊かにする」という企業理念を掲げるレヴィアスが、真っ白なキャンバスにどんな絵を描いていくのか。これからも大いに注目していきたい。

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