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時代の波に乗り続け「変化に強い会社づくり」を実践する経営者 / 熱中の肖像インタビュー前編クルーズ株式会社
代表取締役社長 小渕 宏二

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日本最大級のファストファッション通販「SHOPLIST.com by CROOZ」やTVCMでおなじみ「エレメンタルストーリー」をはじめとしたソーシャルゲームなどを手がけるクルーズ。1日の株式の売買代金が全株式市場で国内1位になったこともあるほど、注目を集める銘柄として投資家にもおなじみだ。2001年に弱冠26歳でゼロから起業し、売上高約280億円(2016年3月期)にまでなったクルーズの成長戦略を小渕氏に聞いた。

ゼロからの起業でまず足元を固める

IBMのグループ会社で営業マンだった小渕氏。独立志向はなかったというが、あるきっかけから起業することになる。

「当時、会社にはこれからモバイルインターネットが来るから新規事業としてやろうと提案し続けていたのですが、その会社はBtoBで中小企業向けなので、意見が通らなかった。そこで、仕方ない、自分でやろうと26歳で起業しました」。

そこで小渕氏は有限会社ウェブドゥジャパンを立ち上げる。トップセールスマンだったために、営業能力には自信があったのだが―。

「会社をはじめたばかりの無名の人間が営業に行ってもなかなか相手にされない。今までは大企業のネームバリューがあるからこそ順調に営業できたんだと実感しました」。

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起業して、まずどのようなビジネスを考えたのだろうか。

「実はやりたかったのはグル―ポンのようなサービスです。しかし、グル―ポンは一見インターネットサービスに見えるけど実はリアルサービスなので、多数の営業マンも必要で、大資本でないと難しい。まだデバイスも成熟していなかったので、2001年当時では早すぎた」。

やりたいことと、実際に事業として展開できることは違う。そう考えた小渕氏は最初の仕事は受託開発からはじめる。

「着メロなどの伸び盛りの企業、パチンコ、パチスロなどの資金が潤沢な企業から受注できたおかげで弊社も順調に拡大していきました。受託開発は『勝ち馬に乗れ』が鉄則です」。

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受託開発で足元を固め、2002年からはいよいよコンテンツサービスに乗り出す。小渕氏が目をつけたのはファミコンを中心に全世界約1000万本の大ヒットとなった「熱血硬派くにおくん」シリーズだった。当時次々とファミコンの名作が復刻されていたが、「熱血硬派くにおくん」はメーカーが倒産していた。

「くにおくんシリーズの非公式ファンクラブサイトの管理人さんを探し出して直接アプローチし、そこから順に元開発者さん、営業本部長さん、会長さんと紹介してもらって交渉し、ようやく版権をお借りできました。コンテンツプロバイダーになってはじめて配信したのがこの『熱血硬派くにおくん』なので思い出深いですね」。

受託開発と並行してコンテンツプロバイダー部門を拡大しようとしたのも束の間、小渕氏は潮目の変化をいち早く感じとり、コンテンツから軸足を移すことを決断する。

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