そう語る西山社長がやきとり家すみれで具体的に取り組んだのが、家族で落ち着いて食事を楽しめる半個室の併設だったり、女性が融け込めるカジュアルな雰囲気のインテリアの積極的な導入だった。また、「大山とり」を使った焼き鳥の串物に力を入れるのはもちろんのこと、女性や子供が好む、前菜、サラダ、〆物、デザートなども充実させ、ターゲットとする客層に合わせたメニューを構築してきた。そうした結果、100店大台乗せの時点で、すみれは45店を占め、グループ内の業態のなかでも一番の〝出世頭〟となっているのだ。
現在、ダイニングイノベーショングループは、「やきとり家すみれ」を展開する「すみれ」のほか、若い男性に人気の「野郎ラーメン」を主軸とする「Team86」、高級焼肉店「焼肉Kintan」「星遊山」和牛割烹「金舌」を運営する「カルネヴァーレ」などの国内5社に加えて、米国、英国、シンガポール、インドネシアなど海外に設立した7社からなる。100店の内77店を占める国内展開については、業態に応じて差異があるものの、全体でならすと直営とフランチャイズ(FC)の比率は半々になる。
「お客さまの事前期待に応えることは当然のこと。牛角創業時には、その事前期待を大きく上回るサービスで『感動』をお客さまに提供することを目指しました。FCビジネスでの一番のポイントは、本部がしっかりした志や目標を持ち、決してブレないことだと考えています」
その〝感動創造の経営〟を実践していく上で、西山社長が徹底して行っているのは日々の店舗管理だ。具体的な行動計画に落とし込み、目標に対する日々の行動計画の管理を行っていく。
やきとり屋すみれをはじめダイニングイノベーションの各業態の店舗の現場でも、こうしたノウハウをフルに活用することで、FCオーナーの信頼を勝ち取り、同時に新たな感動の創造を実現させ、急成長の軌道に乗せているのは想像に難しくない。