一方で主に法律を制定するのが米国証券取引委員会(SEC)等の公的な機関のため、STOの主な障害は法的な不確実性にある。
この記事では、STOを既に完了している5つのプロジェクトに注目する。その法的なステータスのため、これらのトークンは取引所では利用できず、店頭取引(OTC)でしか入手できないことが特徴となっている。
Vaultbankは、セキュリティトークンとユーティリティトークンのデジタル資産取引所であることに加えて、ユーザーが自分のデビットカードを使って簡単に法定通貨と交換できるプロジェクトである。同社はまた会社、ビジネスおよび不動産のようなさまざまな資産のトークン化に関連した様々なサービスを提供する。トークンの保有者は、会社の株主と同等の扱いであり、四半期に1度、配当金および詳細報告書を受け取ることができる。VaultbankのSTOは3月に終了し、1000万ドルを調達した。
Aspen Digitalは、コロラド州アスペンにある高級ホテル、セントレジスアスペンリゾートの一部所有権を与えるトークンである。このホテルは米国のウィンタースポーツファンの「神聖なメッカ」となっている。トークン保有者は、4.75%の四半期配当および報告を受ける権利を持つ。 Aspen Digital のSTOは10月1日に終了し、彼らは1,800万ドルを調達した。
Nelunsは、取引所、銀行、保険会社からなるエコシステムである。NLSトークンは、四半期ごとに株主に配当を配布し、会社の利益の50%を占める。同社はVisa、Mastercard、American Expressと提携してカードを発売する予定。プロジェクトは巨大で、ICO / STO段階で1億3,600万ドルを集めた。
Ceyronは、年間配当金の支払いが行われる仮想通貨の分散型取引所である。トークンを所有することが会社の所有を自動的に意味するのではないという特徴がある。配当の割合も指定されていない。手数料なしで20種類の通貨を引き出すことを可能にするプリペイドデビットカードが存在する。
tZeroは、規制に従ってセキュリティトークン取引の交換を構築することを計画しているプロジェクトである。tZeroプロジェクトは1億3,400万ドルを集めた。配当の支払いの規模と頻度はオープンアクセスではない。このプロジェクトの背後には、大手オンライン小売店Overstock.comがあり、1月末に取引所を開設した。
STOはいくつかの理由で人気が高まる可能性がある。第一の理由は、エクイティであるために、STOはその所有者の保護を可能にする規制上の地位を有するということだ。 2つ目の理由は、資本価値が既存および予想されるキャッシュフローと貸借対照表に基づいているため、評価がはるかに簡単になることである。第三に、流動性を持たない資産に流動性を提供することである(それらが株式であり、証券取引所で取引されている場合を除く)。tZeroプラットフォームは3番目の問題を解決しようと試みているため、最も注目を集めるだろう。
さらに興味深いのは、個人投資家が認定投資家としてベンチャータイプのプロジェクトに参加できる可能性があることである。また我々が知っているように、個人投資家の参加は昨年急増しているICO市場をもたらした。
参照元:https://hacked.com/five-sto-projects-to-watch-in-2019/
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記事執筆:塚田愼一
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