デジタルトークンが発行者の資産または財産に対する所有権または担保権を表す場合、そのようなトークンは証券先物法(SFA)の下で株式としての資格を得ることが可能となる。
2017年11月に、MASは、シンガポールのデジタルトークンおよび仮想通貨のオファーまたは発行に対して行われるシンガポール証券規制に関する追加のガイドを発行した。
MASの見解では、デジタルトークンがSFAの下で資本市場商品のカテゴリーの1つに該当する場合、シンガポールでのデジタルトークンの提供/発行は規制される可能性が存在する。
資本市場商品のカテゴリーには、証券、先物契約、および外国為替取引またはレバレッジ外国為替取引を目的とした契約または取り決めが含まれる。
上記のカテゴリーの1つに分類されると、仲介者が活動を継続することができるように規制免許を保持する必要がある。この場合の仲介者とは、デジタルトークンまたは暗号通貨の提供または発行を容易にする仲介者のことであり、デジタルトークンの発行または発行を行うことができるプラットフォームのオペレータ、取引所および類似のプラットフォーム、ならびにデジタルトークンまたは仮想通貨に関して金融アドバイスまたは資金管理サービスを提供する人などのことである。
シンガポールの法律に準拠していることとは別に、シンガポール以外の投資家にデジタルトークンを販売する場合、トークンの販売は、それぞれの投資家の居住する区域の法律にも準拠している必要がある。
シンガポールは国際的なトークン産業において重要なプレイヤーのひとつであり、金融とブロックチェーンビジネスのハブとしての立場を担っている。ICOとSTOに対して明確な規制の枠組が存在し、税金も低いため、世界的に観てもSTOを実施したい人々にとって好ましい環境が整っている。
シンガポールでも証券としてトークンが扱われた場合、既存に規制の対象になるため、アメリカやヨーロッパと同様に目論見書を作成する必要がある。しかし、目論見書の作成は時間と資金のコストが高いため、免除規定を利用する場合も存在する。
証券先物法(SFA)に基づき、発行者は以下の要件の下で目論見書の発行から免除されることがある。
• STOが小規模(個人的)なものであり、12ヶ月の間に500万ドル(円)を超えない場合
• STOが12ヶ月の間に50人以下から資金調達を行う個人的なものの場合
• STOが 機関投資家に限られる、もしくは
• 適格投資家に限られる場合
シンガポールはデジタルトークンオファリングのガイドを国として発表するなど、STOを行うにあたって規制の枠組みが出来上がっており、理想的な環境が整いつつあると言えるだろう。実際にシンガポールではSTOが行われることが多く、資金調達の方法として広まりを見せているという。今後各国の規制がどのように制定されるかが議論される中で、シンガポールは重要な役割を果たすだろう。
参照元:
A GUIDE TO DIGITAL TOKEN OFFERINGS
Singapore STO Security Token Offering Lawyer Law Firm
How to Launch STO? Security Token Offering
STOについて詳しく知りたい方はこちら
記事執筆
塚田愼一
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