今回のプロジェクトは、デジタル証券とステーブルコインの両方を使用して、米国を拠点とする不動産で分別所有権を提供する最初のプロジェクトの1つである。
FACTOR-805はセキュリティトークンオファリング(STO)である。STOとは、規制に完全に準拠することを目的としたイニシャルコインオファリング(ICO)の形式である。
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STOについて、「法的に遵守しているICOの可能性を提供するだけでなく、STOは企業が株式や債券などの既存の証券を暗号化ブロックチェーンに入れることを許可すると主張しています」とYahoo Financeは述べている。「これにより、仲介人を必要とせずに人々がこれらの証券を取引することが可能になります。」
Fluidity FAQでは、証券をブロックチェーン上のトークンとして表すものを、セキュリティトークンとして定義。トークン化は「トランザクションコストの削減、プログラム可能なコンプライアンスの導入、決済時間の短縮、潜在的な流動性の向上により、金融市場に大きな影響を及ぼす可能性があります。」と述べている。また、セキュリティトークンは従来の有価証券と同様に、証券取引委員会(SEC)によって規制されている。
一部の資産、特に不動産資産は、「現在の市場では取引プロセスの非効率性、アクセスの制限、および流動性の悪さに悩まされているため」、トークン化の恩恵を受けると予想される。
STOに特化したメディアであるSecurity Token Newsは、「STOと並んで、ステーブルコインは2019年以降のホットトレンドとして注目されてきた」と述べている。
Fluidity FactoraのCEO、Todd Lippiatt氏は次のように述べた。
「私たちはDAIのstablecoinを信じており、それをFACTOR-805に具体的に組み入れることを嬉しく思います。MakerDAOは、他の仮想通貨に裏打ちされた安定したコインが変動性の複雑さに対する解決策を提示しており、とても注目に値します。」
MakerDAOの共同創設者兼CEOのRune Christensenは次のように付け加えた。
「FACTOR-805は画期的なプロダクトです。実世界の資産をブロックチェーンに取り入れることで、投資からより多くの価値を引き出す方法の強力な例です。DAIにより、投資家は変動性なしに暗号通貨のスピード、セキュリティそして効率を手に入れることができます。」
セキュリティトークンによるSTOと、ステーブルコインの組み合わせは理にかなっているようだ。STOは投資家を対象とした金融商品であり、多くの場合、「危険な」変動性のある仮想通貨を避けたいと考えている。プロモーターの観点からは、スマートコントラクトを実行できるブロックチェーンベースのプラットフォームが必要だが、準備金を不安定な仮想通貨に維持することはリスクになる。
そこで、DAIのようなEthereumベースのステーブルコインが最善の策であると考えられる。法定通貨の安定性と仮想通貨のプログラム可能で効率的であるという利点を組み合わせることが可能になる。
Factoraは、実社会の資産のトークン化に重点を置いた、新たに設立された会社である。チームは、ブロックチェーン技術を使用して資産のトークン化を達成しようとしている。プラットフォームの開発は、ブルックリン本社でCEOのTodd Lippiattによって管理されている。
Fluidity Factora はニューヨーク、ブルックリンにある不動産をトークン化する構想を発表した。この資産はFactor-805と呼ばれ、37ユニットの住宅用マンションである。これは、デジタル証券とステーブルコインの両方を使用して、米国を拠点とする不動産で分別所有権を提供する最初のプロジェクトの1つである。
今後のSTOに参加する投資家にとっては、満期時に13.24%の利回りが見込まれる。
Factoraのニュースリリースによると、FACTOR-805トークンはトークン化することができ、DAIまたはフィアットで支払われる配当を得られる。
STOの発展に伴い、ステーブルコインも注目を集めており、2019年のビッグワードの1つだ。DAIがMakerDAOが開発した、ステーブルコインである。ステーブルコインとは法定通貨(円やドルなど)と同じ価値を持つトークンのことであり、法定通貨と価値が連動するため、価格の変動が少ない。DAIはアメリカドルと連動している。
https://www.securities.io/fluidity-factora-to-utilize-dai-stablecoin-in-security-token-offering/
https://medium.com/chainrift-research/dai-stablecoin-used-in-real-estate-security-token-offering-e49d06f57925
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記事執筆
塚田愼一
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