4月16日に「ブロックチェーン・ナイト#004:」が行われた。イベントではSTOのスペシャリスト中村氏、DIWalの村上氏、そして、弁護士事務所ZeLoからブロックチェーン専門弁護士のReisenburg氏が登壇し、セキュリティトークンの現在の動向や、今後の予測について語られた。
冒頭で中村氏は、トークンを使った新しい時代の到来が見込まれている、と強く語った。トークンの時代が到来する上で、まず株式、株式と連動するETF、実体経済をトークン化する必要があり、そのためにSTOは注目を集めているという。
・1500年頃はSe+Curity=Without+Care(転じて安全性保証の意味を持つ)
・1700年頃には意味が変わり、Security=Get Position(権利を獲得する)
・証券=有価証券+証拠証券
・有価証券のポイントは譲渡性にある
・IPO(Initial Public Offering):株式公開
・ICO(Initial Coin Offering):仮想通貨公開
・STO(Security Token Offering):有価証券トークン公開
・この流れをみると、資金を集めたいと言うのが最初の目的
・オファリングとは募集ということ。私募は適格投資家への勧誘だけで、募集は禁止されている。
・長期的にはSTOの重要性が増大すると考えられる
・短期的には法整備が見えないので、不確実性が高くなる
・アメリカでは急速に体制が整いつつある(先日tZEROが取引所をリリース)
続いてSTOのコンサルティングを行うDIWal Ltd.の村上氏からSTOの基本と、ユースケースについて講演が行われた。
既存の資金調達方法との比較すると、重要なポイントがみえてくる。例えば、IPOと比較して資金調達に必要なお金は少ないと思われがちだが、STOは意外とお金かかる。法律に則ったトークン設計などが必要で、安くても1500万円前後だという。
ICOまでとはいかないが、資金調達のハードルが低いことがあげられる。特にSTOは数百億円の金額を調達したい会社で、未公開企業ならばメリットが非常に大きい。
ユースケースは大きく以下の3点に分けられる。
具体的なプロジェクトを調べたければ、STO Checkというサイトがおすすめ。このサイトで確認すると、STOプロジェクトで金融サービスが多いことがわかる。また不動産、ヘルスケアも続いて多い金額を調達していることもわかる。
法律事務所Zeloの米国弁護士であるNathan Reisenburg氏はSTOとは「セキュリティトークンは証券における所有権のデジタル表象である」と結論づけた。最初に発行されたトークンがセキュリティトークンかどうか判断をするにはアメリカの Houeyテストが重要になってくる。
Howeyテストについて詳しくはこちら
続いてアメリカでSTOを行うために遵守しなくてはいけない規制のリストについて説明が行われた。内容は以下の表の通りである。
もっとも注目すべきはSTOプラットフォームだ。STOが将来成長するかどうかはプラトッフォームにかかっているという。STOの将来のために重要な要素は以下の点に集約される。
最後にReisenburg氏は
「SECが規制をちゃんと強化していけば、STOはより面白くなっていくでしょう」
とのべた。
STO(セキュリティトークンオファリング)は、セキュリティ(有価証券)トークンを2019年に大きく注目を集めているSTOは、規制の枠組みなどまだ法的に未整備であるなど課題が多いことも事実だ。
イベントではSTOの基礎から、今後STOが発展するのに必要なプラットフォームの重要性についても語られた。アメリカやヨーロッパで規制ができつつあり、日本でもSTOに関する規制の制定が待たれる。今後の動向に注目したい。
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