投資の起点になるべきなのは、本来、経営理念である。経営理念からズレると、どこかで軌道が狂ってしまうのが経営の定理だが、柳澤氏は徹底的に経営理念を研究し、言語化できたのは設立3年目だった。
カヤックの経営理念は「つくる人を増やす」。このひと言である。シンプルで意図が明確だ。「つくる人」とはWebクリエイターだけでなく、耳目を集める制度を開発する人事部もクリエイターに含まれる。柳澤氏は「会社そのものをひとつのコンテンツ」と考えているが、それを言語化したのである。
この経営理念にもとづいて形成された組織が「新卒、中途とも作品を見て才能のある人材を採用している」(柳澤氏)というWebクリエイターのスキルを開花させ、数々のヒット作を誕生させた。
後編に続く
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