法人理事長であり、ドクターの工藤先生は、学生時代のご自身の肌トラブルから皮膚科医になったという経緯を持っているため、患者さん目線の細かい配慮に定評がある。
「自然健康志向」などの知識が豊富で多くのセレブリティやモデルにも人気だ。最近では男性の患者さんも増えたということで、メンズ美容の傾向も聞いてみた。
秋山:美容医療の中でも美容皮膚科、スキンクリニックなどは女医の先生ならではの提案があったり、美白や艶肌などの女性の求めることを理解してもらえたりと人気が高まっています。そこで他の美容皮膚科との違いや特徴を教えてください。
工藤先生:最初は千葉の住宅街で開業しました。広告を一切出さなくてもおかげさまで口コミで広がって六本木のこの地に開業という経緯です。場所柄、モデルやタレントのほか、雑誌や業界の美意識の高い人が来院してくださり、さらに口コミで広がりました。広告で患者さんが来ても結果を出さなければ一過性で終わってしまします。そこで機械も薬も最高品質のものを使い、サービスのクオリティもよいと言われるように指導を徹底しました。
クライアントは経営者の方やJALでVIPの接遇のコーチングをしている方など、多忙な女性も多いので、短時間で最高のクオリティを出せるようにしました。大切なのはその方の希望をしっかりカウンセリングで聴くということです。ともすればA、B、C、の中から選ぶような押しつけのメニューがありますが、そういうものではなく個々の悩みに応じた「最善のメニュー」を考えて提案しています。
秋山:肌悩みやエイジングの悩みをカウンセリングするとき、こんなこと聞いていいのかなど、ハードルが高いと感じる患者さんもいると思いますが。
工藤先生:それには信頼関係が大切ですね。カウンセリングを重ね「この先生と美容の話を分かち合いたい」と思われるような信頼関係と環境作りに配慮しています。「痛み」、「ダウンタイム」などが一番心配されることだと思いますが、当院では麻酔の注射ではなく、笑気麻酔や手作りの塗る麻酔で「痛み」を軽減しています。
秋山:工藤先生が皮膚科医になるきっかけの一つは、高校生の頃、ご自分がニキビ肌に悩まされていたからと伺いましたが。
工藤先生:そうなんです。当時は美容皮膚科という専門クリニックがなく、皮膚科に行っても思うように改善されず、薬を処方されるだけでした。ニキビが治ってもニキビ跡など病気ではない肌の悩みはどこに相談に行ったら治るんだろうという時代でした。肌の悩みを持つ人の役にたてたらと皮膚科医になりました。その後、レーザーが上陸し、病気ではない肌の悩みやエイジングケアが美容皮膚科でできるようになったんです。当院ではレーザー治療はもちろん、それと併用して体質改善など内側からのアプローチも必要なので自然食からロハス的なライフスタイルなどの指導も行っています。私の長年の経験と技術を集結させたオリジナルドクターズコスメ「フラセラ」もつくっているので、自宅でのケアで「美肌への近道」をフォローすることもできます。
秋山:内側からの体質改善は大切ですよね。
さらに高いクオリティの美しさを求める方におすすめの治療はありますか。
工藤先生:目の下の凹みやシワなど、加齢によるシワに関してはPRP/多血小板療法があります。血小板から傷を修復する成長因子が放出され、「傷を治す」働きを利用したPRP療法です。麻酔中に採血をし、血液を遠心分離気にかけてすぐにPRPを作成し、目の下などに注入します。自分の血液から作るので安心ですし、今までヒアルロン酸では難しかった浅いシワに効果的です。
中年以降の方の場合、ご自分の血液で作るPRPですとその成分も老化しているので、効果があまり出ない場合があります。そういうときは「ヒト幹細胞培養上清液療法」という方をお勧めします。幹細胞には自己修復機能がありますが年齢とともに減少してしまうのです。
ご自身の幹細胞ではなく、幹細胞を培養する際に豊富に分泌される成長因子やサイトカインを含む「ヒト幹細胞培養上清液」を直接注入します。当院で使用している「ヒト幹細胞培養上清液」は国産なのでクオリティが高いのがメリットです。
秋山:ハリ、弾力は年齢とともにダウンしますよね。「ヒト幹細胞培養上清液」療法は興味深いですが、価格も意外とお安いのに驚きました。
*幹細胞注射 1cc 42,000円(税別)
工藤先生:1回のコストをなるべく低くして、適正な間隔で細く長く継続してもらいたいんです。それができるよう予算面でも頑張っています。そのほうがお互いのためにもいいんです。3年間も畳んだままの洋服のシワは取れませんが、半年に1回クリーニングに出せばシワも取れて長持ちします。要は定期メンテナンスが必要。3年放っておくのと1~2ヶ月に1回メンテするのでは効果が断然違ってきます。
秋山:なるほど。美容クリニックも特別なときにだけに行くイベント的なものから、日常生活の中にメンテナンスとして取り入れていく時代ですね。
ところで、最近は男性の患者さんが圧倒的に多くなったとのことですが。
工藤先生:そうですね、男性の患者さんがかなり増えてきました。10年~15年くらい前は「シミを取って」という依頼が多かったのですが、それとは関係なく、ヘアサロンにいくような感じで脱毛の治療をする方が増えています。男性の価値観が変わってきたんですね。特に経営者や営業の方たちは「若々しくしていると周囲の対応がいい」と実感しているようです。健康であることはもちろんですが「見た目の印象」というものも人生のクオリティを高くするという考え方や、あるいは周囲の反応を意識した自己演出を楽しむという若い男性も多くなりました。
秋山:どのような理由で来院するかたがいらっしゃいますか。
工藤先生:将来の介護のためという方もいます。自分が親の介護をしていて、体を清潔にしておいたほうがよいと感じたそうです。VIO脱毛を高齢でする男性もいらっしゃいます。
顔だけでなく、肉体を美しく清潔に保ちたいという願望を男性も持つようになりました。見た目のコンプレックスを解消することが昔より簡単になり、例えばレーザーでクマが目立たなくなれば印象も明るくなり、気分がよくなって日常が楽しくなりますよね。そういうことを男性も求めるようにな時代になってきました。通称「エラボトックス」と呼ばれる顔のサイズを一回り小さくする施術は男性にも人気です。
男性の患者さんは美容皮膚科の雰囲気に躊躇する方もいらっしゃるので個室にお通しするようにしています。
秋山:今後の美容皮膚科はどのようになっていくとお考えですか。
工藤先生:将来的には外科的なメンテナンスより、皮膚科的なエイジングケアを日常的に取り入れるライフスタイルが主流になってくると思います。20年後のニーズを今からやっていく、やって当たり前の時代になるのでは、、、。私自身は「健康で美しい」がモットーですから外見を美しく保つためには体の内側から健康的にするという意味で、自然食やナチュラルな食材を併用した「健康美」を継続して提唱したいと思います。
秋山:最後に、工藤先生の趣味はなんでしょう。お仕事とは関係ない分野でありますか。
工藤先生:読書ですね。歴史に興味があって特に戦国時代のものが好きです。理由は、、、、
戦国時代はどんな人でも、実力ひとつ、または才覚ひとつで天下を取れる時代。そんな時代に生きた人物はとても魅力的です。特に武田信玄は「人の心をつなぎとめる」ことに長けていたんです。歴史の本には現代を生きる知恵がたくさん散りばめられているので、今のビジネスにも通用します。歴史家の磯田道史氏の本もとても参考になります。
忙しくて読書をする時間がないときはオーディオブックも便利ですよ。家事をしながらとか何かをしながら聴けるので愛用しています。
秋山:オーディオブック!それはいいかもしれませんね。早速試してみたいです(笑)
本日は、女医の先生ならではの女性目線のエイジングケアや、最近のメンズ美容の傾向などを伺えて大変参考になりました。どうもありがとうございました。
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