1. TOP>
  2. 社長・代表 取材・インタビュー>
  3. DX特集
  4. 健康長寿時代の救世主「再生医療」で自分らしく輝く

健康長寿時代の救世主「再生医療」で自分らしく輝く BTRアーツ銀座クリニック 院長 市橋 正光
インタビュアー 秋山真美子

  • feedy

人生100年時代と言われる昨今。長寿だけでなく、健康でより長く、生き生きと暮らすためにさまざまな取り組みが行われている。医学の進歩と同様、美容医療分野でも研究や技術の進歩はめざましい。中でも最先端と言えるのは再生医療である。まだまだこれからの分野だが、健康で美しく、自分のやりたいことを存分にできることは高齢化社会において誰もが望む理想的な生き方だ。美容医療クリニックでありながら、脳血管障害、脊髄損傷、変形性膝関節症などの再生医療で早くから効果を出しているBTRアーツ銀座クリニックの市橋正光院長にインタビューをした。

目次

そもそも幹細胞とは

秋山:再生医療の重要な役割を担うのが「幹細胞」だと伺いました。そもそも再生医療、幹細胞とはどんなものなんでしょう。

市橋院長:再生医療はまだまだこれからの分野ですが、BTRアーツ銀座クリニックの理事長は医師として15年前くらいから再生医療の重要性を認識し臨床と研究に取り組んできました。医学が進歩し、今まさに再生医療の時代と言えます。患者さんの腹部皮下から米粒2つ分ほどの脂肪を採取して幹細胞だけを培養(幹細胞を分離して必要な数に増やす)します。幹細胞は傷つき機能が低下した細胞・組織を活性化し再生することができます。ただ、この治療を実施するにあたっては治療疾患ごとに厚労省が認定する「特定認定再生医療等委員会」の厳しい審査を通過することが必要です。当院では脳梗塞、脊髄損傷、変形性膝関節症などの幹細胞治療を行っています。「皮膚の加齢性変化」、つまり美容医療で言うところのたるみやシワなど、若返りに欠かせない皮膚の幹細胞治療認可、主に顔や頸部も取ることができました。

秋山:幹細胞美容治療は50~60代女性の希望の星です!メスを使わないたるみ治療などでハイフが、また外科的には糸がトレンドですが、幹細胞治療とはとどのような違いがあるのでしょう。
最近では、幹細胞を入れたコスメと謳ったものもありますが。

市橋院長:糸はたるんだ皮膚組織を物理的にただ引き上げるだけでしょう。幹細胞治療は細胞組織そのものを若返らせる生物反応ですから、まったく違いますね。
患者さんの脂肪組織を腹部皮下から少し採取して3週間ほどかけて培養した幹細胞を水光注射で顔に投与します。早ければ2週間くらいから、遅くても数ヶ月後くらいに効果が出始め、その後最大になり、2年ほど持続すると考えられています。
化粧品などに入っていると言われる幹細胞成分は細胞の培養上清液の含まれる一部の小分子成分を入れているのがほとんどなので細胞注入に比べると効果は少ないですね。

*水光注射:先端部分に極細針が9本ついており、幹細胞を皮膚部位により、深さを変えて真皮へ注入できる注射器。

クリニック内に培養設備があるメリット

秋山:クリニックの手術室で採取した脂肪をそのまま院内にある幹細胞培養施設で培養すると聞きました。一般的には外の培養施設に外注するのでしょうか。

市橋院長:院内に幹細胞培養施設を持っているクリニックは少ないと思います。
うちでは患者さんの負担の多い骨髄採取ではなく、米粒2片ほどの脂肪片を腹部から採取して院内の「幹細胞培養施設」で専任の培養士が培養します。外注の場合は採取した細胞は冷蔵して運搬し、完成した幹細胞も凍結輸送することが多く、凍結・融解行程で細胞の活性度が低下するリスクもあります。培養施設が院内にあれば冷蔵する必要もないし、外注するより費用も抑えられます。
重い機能性障害が残る可能性の高い脳梗塞・脳出血後麻痺、脊髄損傷後麻痺、変形性膝関節症への施術認可も当院は取得しています。脳卒中と脊髄損傷治療の場合は幹細胞を点滴で投与し、変形性膝関節症では膝の関節膣へ直接注射します。アンチエイジングの場合は先ほども説明したように顔に直接水光注射器で注入をします。どちらも患者さん自身の細胞を培養した幹細胞なので、アレルギー拒絶反応が極めて低く安全性も高いのです。

再生医療の一つである幹細胞治療の流れ

秋山:なるほど。再生医療はそれぞれの施術目的ごとに認可が必要なんですね。
実際に幹細胞治療の流れと費用はどのくらいなのですか。

市橋院長:まず、病歴と現症状から診断し、再生医療が可能かどうか判断します。脳卒中後治療の患者さんでは過去の治療歴や現在の状態をMRIや詳しい血液検査などで確認し、安全に受けていただけるか慎重に調べます。血液検査後に腹部から脂肪を採取し、院内培養施設にて幹細胞を分離、培養します。培養の期間は3週間ほど。培養した自分の幹細胞を投与します。自費診療なので費用は150万円ほどです。この値段が高いかどうかは色々意見があると思いますが、脳梗塞の後遺症が改善されれば、そんなに高いものではないのではないでしょうか。
顔への投与も費用は同じです。アンチエイジングを目的とした幹細胞治療は現在2年程の短期間の臨床経験しかないので、今後患者さんの皮膚の変化をしっかりと観察して
行きたいと思います。

*HPの「症例紹介・モニター動画」に脳梗塞の後遺症で半身麻痺の患者さんが、点滴後に改善された動画が掲載。

秋山:例えば60代の女性が自分の脂肪片を取って培養した幹細胞は若返りの効果を発揮するのでしょうか。若い人の細胞でなくてもいいのですか。

市橋院長:何歳のかたの幹細胞でも様々な細胞へ分化することの出来る多分化能があるだけでなく、同時に幹細胞からは各種栄養因子や成長因子が周りに放出され、組織内の老化細胞を活性化します。普通の細胞と幹細胞では細胞外に放出される小胞(*)の質が異なります。幹細胞はコラーゲンを作る線維芽細胞など、皮膚のいろいろな細胞を活性化する力が大きいです。
また、他人の幹細胞を使うのには拒絶反応や合併症などのリスクが高いので、自分の幹細胞を使うのが一番安全と言えます。
(*)成長因子や栄養因子など

常に新しいものへの挑戦が若さの源。患者さんから元気をもらっている

秋山:先生は82歳と伺いましたが、全くその年齢には見えないですね!

市橋院長:私は2010年頃から神戸で美容皮膚科をやっていましたが、当時から再生医療には興味を持っていました。再生医療もできる美容クリニックを東京に作るということで、2017年にBTRアーツ銀座クリニックに着任しました。再生医療は現在多くの大学の医学部でも授業に組み込まれていないため研究室レベルにあり、臨床応用は限られた状態にあります。まだまだこれからの分野です。そんな新しい分野へチャレンジすることはワクワクします。研究して論文を書き、他のドクターと議論を交わす。ただ与えられたものをやって、待っているだけというのは性分に合いません。自分から求めていくことが大切です。再生医療で患者さんの症状が改善されればドクターの意欲も高まります。看護師をはじめクリニックの従業員たちの士気も上がります。当院のラボに、著名な美容医療の先生方をお招きして、ご意見をいただくこともあります。周りにいる人に幸せになってほしいとの思いで診療にあたっていますが、逆に患者さんから元気をいただくことも多々あります。
自費診療なので高額というのが課題ですが、幹細胞培養に関わる研究者、技術者たちの努力による経費削減を期待しています。

秋山:院長先生の若さの原動力は「いくつになっても探究心や好奇心を忘れないチャレンジャーであることなんですね。「健康長寿時代」を生き抜くお手本にしたいです。
本日はどうもありがとうございました。

店舗情報

BTRアーツ銀座クリニック

〒105-0004
東京都港区新橋2-20-25 新橋駅前ビル1号館201
TEL 03-6228-5224 
FAX 03-6228-5026

ホームページ
再生医療
https://artsginzaclinic.com
肌の再生医療
https://arts-ginzaclinic.com/menu/stem/

関連記事